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おっちゃんの「課外学習」

2008年9月09日

ギャルゲーのために、フォントを作った男 vol.9

筆者:いぬ誰もがゲームで「ひとヤマ」をねらえた

「ギャルゲーのためにフォントを作った男」として、関野ひかるさんの「TOKYO ナンパストリート」と、「関野フォント1号」に込められた工夫、またそれを生み出した関野さんの思想や当時のゲーム業界の状況について考えてきた。
「インクから、光へ」表現媒体が変わるときに生まれた新しい文字表現。大げさでなく「TOKYOナンパストリート」にはそれがあった、と僕は考えている。


シリーズ連載「インクから、光へ」としてお伝えしたいことは、前回まででほとんど伝えることができたと思う。でも、関野さんが「TOKYOナンパストリート」を作った当時のゲーム業界の状況についてもう少し話しておこう。僕自身、1980年代前半のゲーム文化に子どもとして染まっていた人間だ。当時僕が夢中になっていた「ゲーム」は、今のゲームとどう違うのか、今の視点から整理しておきたい。

前回、当時のゲーム作りはいわば「作家制」をとっていた、ということをお伝えした。それこそマンガのように、ゲームは個人が作って、個人が評価を受け、評価に見合う報酬を得る、そんな仕組みになっていた。関野さんは「TOKYOナンパストリート」発売時のことをこう振り返る。

「エニックスからはね、オレ100万円もらってるんだよ。最初に。『TOKYOナンパストリート』が賞を取って。さらに印税がそれを上回った。1万本以上売れたからね、結構すごかった。毎月毎月、結構な額のお金が入ってきて。3年ぐらい遊んで暮らせた(笑)」

ひとヤマ当てた「作家」に与えられる評価・報酬は高かった一方で、ゲーム作り自体は、現在とは比べものにならないくらいハードルが低かった。関野さんは「PC-6001が、当時8万円くらい。それだけあれば何とかなった」という。

ジョブズとウォズニアック、2人の「スティーブ」は、自作のコンピューター「アップル」で「ひとヤマ」当てた。アップルは、今では世界有数の企業だ。いい意味で「素人」がどんどん入り込める余地がある世界には、新しいものが生まれやすいんじゃないかと、僕は思う。

今のゲーム業界は巨大化し、分業化が進んだ。一つのゲームを作るのにかかるお金と組織と時間は莫大なものになり、素人が入り込む余地はない。もちろん、そこから新しいものが生まれることはない、と言うつもりはない。面白いゲームもいっぱいある。ただ僕が気になっているのは、「ひとヤマ」当てたい人たちは、今どこにいるのだろう、ということだ。きっと彼らは、ゲームじゃなくて別のジ
ャンルで「ひとヤマ」を狙っているんだろう。

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