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おっちゃんの「課外学習」

2008年8月14日

ギャルゲーのために、フォントを作った男 vol.2

筆者:いぬ自作フォントのために、開発ツールも自作した

関野フォント1号「TOKYOナンパストリート」は、関野さんが1984年に発表した「ナンパゲーム」だ。原宿、渋谷などいくつかの街で女の子をナンパし、会話を楽しみながら好感度を上げ、最終的にはラブホテルに連れ込んだり、女の子の部屋に上がり込んだりして... というのが大まかな内容。


このゲームについては、次回以降詳しく取り上げることにして、まずは関野さんに「関野フォント1号」開発の経緯を語っていただこう。

「当時"PC6001"ってパソコンがあったんだけど、そこからフォントを"吸い上げ"たんだ」

「吸い上げる」とは、パソコンのROMの中に入っているデータをコピーしてくること。ハードディスクなどない当時のパソコンでは、システム情報などはROM(読み込み専用の記憶媒体)に収められていた。1981年にNECから発売された、比較的安価な家庭用PCが「PC6001」だが、そのROMに収められていたひらがなフォントが、「関野フォント1号」のベースとなる。ただし関野さんは、そこに大幅なアレンジを加えていく。

「PC6001のひらがなは、10ドット×10ドットで構成されている。でも俺は初めて画面を見たときから、それでは読みづらいと感じてた。そうなると16×16ドット、って考えるのが普通なんだけど、文字が大きくなるとゲーム画面が狭くなっちゃう。参考として吸い上げたPC6001のフォントで、いろいろ検討した結果、12×12ドットがベストだと判断したんだ」

12×12ドットにフォントを作り替える、と一言でいうが、簡単にできるものではない。今は「Fontographer」など専用のエディタを使えば、「Illustrator」を使うのと似た操作感で簡単にフォントを作ることができる。しかし当時の関野さんは、フォント開発のためのツールさえ自分で開発しなければならなかった。

「吸い上げたフォントデータは、単なる数字の羅列なんだ。データを文字としてパソコンの画面に表示させるプログラム、表示させた文字を編集するプログラム、さらにそれを保存するプログラム、全部俺が作った。結局、自分でフォントエディタを作ったってことになるね」

参照データの吸い上げからフォント作成ツールの開発、さらに実際のフォント作成まで。すべての工程を終えるのに3か月はかかったという。

なぜそこまでの苦労と時間を重ね、オリジナルのフォントを開発しなければならなかったのか? それを理解するために、当時黎明期にあったパソコンの技術、特に文字表現に関する技術の状況と、関野さんのゲームに対する思想に触れていきたい。

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