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おっちゃんの「感想・鑑賞録」

2013年8月14日

『音をたずねて』三宮 麻由子

筆者:おっちゃん音を見る

感動に浸るとき、自然と目をつぶる。
視界を遮って、内なる声に集中しようとする。
視覚に頼れない人は、
聴覚や触角などの感覚が研ぎ澄まされるという。

著者の三宮さんは、幼くして視力をなくした。
2000年、『そっと耳を澄ませば 』で、
第49回日本エッセイスト・クラブ賞を受賞した。
聴覚に敏感な人が、さらに耳を澄ますのだから、
われわれの知らない世界を感じることができるのだろう。

鈴屋を訪ねる
鈴の音色の出来をみるには、
音を聞くときは掌の上で転がす、という。

鈴屋さんが、地震に襲われたら、どうなるのか、
不謹慎とも思えるような質問をすると、
店のご主人は
「ええ。ありますよ。よおく鳴ってました」と答えてくれる。
春風のようなユーモア。

時報の声の人、中村啓子さんや、
寄席、
長岡の花火大会、
鍾乳洞、
テレビの効果音担当の職人さんなど、
音を訪ねる場所もおもしろい。

長岡まつり大花火大会の章のタイトルは、
「空を聞く」
著者は、鳥の声で空模様を感じていたらしい。
     子供のころは、雨や風のように体に感じられない空模様は
     天気予報やスズメの声を頼りにも味わっていたし、
     もう少し大きくなると、雷の音から空の奥行きのようなものを
     味わうようにもなった。
     現在は、野鳥の声を二百種類ほど聞き分けられるようになったので、
     小鳥たちの声やその表情から空の高さや天候を感じることもある。
空の奥行きって、なんだろう。
わたしには、初めて出会う言葉だった。
空高くっていう表現があるから、雲なく澄み切った空なのだろうか。

花火の音なら、さぞや、空の広がりが感じられるだろう。
     私にとって、花火の音は夜空の響きであり、
     その反響は夜空の広さそのものである。
また、わたしには、信じられない発想まで生まれる。
     打ち上げの音から大きい玉が百発ほど続けて上げられていることが
     分かったので、両耳を塞いで聞いてみた。
     衝撃波と音波が合わさった破裂音から音波を引いてみたのである。
     すると、衝撃波が五臓六腑をマッサージするような感覚を味わった。

世界を目から解放しよう。

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日がな一日、本に囲まれて生活をするおっちゃん。おっちゃんが読んだ本や、見た映画など、ジャンルを問わず紹介します。
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