「朝霞と夕霞と夜のおやすみ」FUKAIPRODUCE羽衣
絶叫から立ちあらわれる真情に、耳をすませて。
絶叫し続けていた。
最初から、最後まで。
かすれた声で、ずれまくった音程で。
FUKAIPRODUCE羽衣「朝霞と夕霞と夜のおやすみ」を観てきた。
作・演出・音楽・振付は、すべて糸井幸之介。
一人の男の頭の中から生み出されるのは、
かわいらしい舞台装置の中で、
汗まみれの男女が絡み合いながら絶叫する、
下ネタ全開の歌と踊りだった。
名付けて「妙ージカル」。
裸の、何人もの男女が、
大きな一枚のシーツにくるまっているところから芝居は始まる。
どうやらそれぞれ、異性と一晩過ごして朝を迎えたらしい。
めざめから、次の眠りにつくまで。
一日の中で、愛とセックスをめぐって、
いろんな思考・妄想が繰り広げられる。
寂しすぎて片端から電話をかけまくり、
登山に誘うも、片端からフラれまくる男。
誰もいない自室で、ビールに沈みながら、
脳内ライブを開く、ストーンズに憧れて九州から上京した男。
深夜のラブホテル、部屋に漂う、いくつもの情交の残り香から、
妄想を働かせるシンガーソングライターの女。
何を歌っているのか聞き取れないくらいの絶叫と、
もはや踊りと呼べるかどうかもあやしい地団駄、
下品で、直接的で、卑猥な言葉。
その中から、立ちあらわれるものがある。
それを心情といっても、真情といっても、
詩情(ポエジー)といってもいい。
きれいな声、整った踊り、美しい言葉では表現できない感情。
気付けば、彼らの絶叫に身をゆだね、耳をすませている自分がいた。
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興味が湧いた方、ぜひ観て下さい。
5/20(水)まで、こまばアゴラ劇場でやってます。
http://www.komaba-agora.com/line_up/2009_05/fukai.html
youtubeでは、前回公演の一部が観られます。
これも感動。大名曲。
http://www.youtube.com/watch?v=bu3nzhJP9s8
紹介演劇データ
- タイトル:「朝霞と夕霞と夜のおやすみ」
- 劇団名:FUKAIPRODUCE羽衣
- 作・演出・振付・音楽:糸井幸之介
- プロデュース:深井順子
- 公演日:2009年5月
- 劇場:こまばアゴラ劇場(駒場東大前)





