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おっちゃんの「感想・鑑賞録」

2009年5月18日

「朝霞と夕霞と夜のおやすみ」FUKAIPRODUCE羽衣

筆者:いぬ絶叫から立ちあらわれる真情に、耳をすませて。

絶叫し続けていた。
最初から、最後まで。
かすれた声で、ずれまくった音程で。

FUKAIPRODUCE羽衣「朝霞と夕霞と夜のおやすみ」を観てきた。
作・演出・音楽・振付は、すべて糸井幸之介。
一人の男の頭の中から生み出されるのは、
かわいらしい舞台装置の中で、
汗まみれの男女が絡み合いながら絶叫する、
下ネタ全開の歌と踊りだった。
名付けて「妙ージカル」。

裸の、何人もの男女が、
大きな一枚のシーツにくるまっているところから芝居は始まる。
どうやらそれぞれ、異性と一晩過ごして朝を迎えたらしい。
めざめから、次の眠りにつくまで。
一日の中で、愛とセックスをめぐって、
いろんな思考・妄想が繰り広げられる。

寂しすぎて片端から電話をかけまくり、
登山に誘うも、片端からフラれまくる男。
誰もいない自室で、ビールに沈みながら、
脳内ライブを開く、ストーンズに憧れて九州から上京した男。
深夜のラブホテル、部屋に漂う、いくつもの情交の残り香から、
妄想を働かせるシンガーソングライターの女。

何を歌っているのか聞き取れないくらいの絶叫と、
もはや踊りと呼べるかどうかもあやしい地団駄、
下品で、直接的で、卑猥な言葉。
その中から、立ちあらわれるものがある。
それを心情といっても、真情といっても、
詩情(ポエジー)といってもいい。
きれいな声、整った踊り、美しい言葉では表現できない感情。
気付けば、彼らの絶叫に身をゆだね、耳をすませている自分がいた。

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興味が湧いた方、ぜひ観て下さい。
5/20(水)まで、こまばアゴラ劇場でやってます。
http://www.komaba-agora.com/line_up/2009_05/fukai.html

youtubeでは、前回公演の一部が観られます。
これも感動。大名曲。
http://www.youtube.com/watch?v=bu3nzhJP9s8

 

紹介演劇データ

  • タイトル:「朝霞と夕霞と夜のおやすみ」
  • 劇団名:FUKAIPRODUCE羽衣
  • 作・演出・振付・音楽:糸井幸之介
  • プロデュース:深井順子
  • 公演日:2009年5月
  • 劇場:こまばアゴラ劇場(駒場東大前)