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おっちゃんの「感想・鑑賞録」

2008年10月08日

『あしたの虹』瀬戸内寂聴

筆者:立ち読み常連の学生86歳の女子高生!?

昔、どこかの駅で瀬戸内寂聴さんを見かけ、声を掛けさせていただいた。
小説のファンでもないくせに、握手をしてもらった記憶がある。
数年前には、瀬戸内寂聴さんを主人公としたテレビドラマがあって、
波瀾万丈な人生を生きてきた人だ、ということは理解している。


さて、そんなイメージの瀬戸内寂聴さんが、ケータイ小説界にデビューした。

それが発覚したのは、9月末に行われた、
第3回日本ケータイ小説大賞授賞式でのこと。
※日本ケータイ小説大賞とは、ケータイという新しい文化の発展を目指して2年前に創設された賞のこと。

その授賞式の中で、小説家の瀬戸内寂聴さんが特別参加していたことが発表されたのである。

小説を掲載しているサイト名は「コイチゴ通信」。
小説の題名は「あしたの虹」。

サイトの管理者はぱーぷる。瀬戸内寂聴としてではなく、
ぱーぷるというペンネームを使い、秘密裏に参加をしていたのである。
プロフィールも掲載されているが、とても86歳とは思えない紹介である。

内容についても、瀬戸内寂聴さんだとは到底想像もつかない、女子高生を主人公にした恋愛小説だ。
小説を読んでみて、この女子高生の気持ちを、86歳の人が書いているなんて信じられない。
それが、プロとしての能力であるということを前提にしても、やはり、驚愕に値する。

例えば、日常の会話の他に、メールでのやりとりがある。

そのメールの文章は、かわいい絵文字が使われ、しかもかなり乙女的である。
実際、僕自身、女子高生からメールをもらったことがなく、
どんなメールが女子高生の間でやりとりされているのか知らないが、
おおかた、間違ってはいないなぁと予測できる。

最後まで読んでみると、文章が端的で、非の打ち所がない、まさにプロの技である。
ただし、忘れてはいけないのは、生き生きとした女子高生を86歳にもなる
瀬戸内寂聴さんが、書いているということだ。

小説を読み進めている内に、これは、想像ではなく、
誰かが乗り移ったような、そんなリアルさが伝わってくる。
(妙にカワイイ、ケータイメールの文章も!)

なぜ、こんな小説が書けるのだろう。そもそも、
この小説を書こうと思ったのはなぜだろう。

ただ、間違いないのは、このケータイ小説が、
とても素晴らしい内容であるということだ。

大物小説家の参加で、こうして注目を浴びるケータイ小説。
ここから芥川賞や直木賞が生まれる日も近いのかもしれない。

※コイチゴ通信はこちらから。出版とは別に、PCでも閲覧できます。
http://no-ichigo.jp/koibumi/080924/nkst.php

 

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