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おっちゃんの「感想・鑑賞録」

2008年8月13日

「西の魔女が死んだ」梨木香歩

筆者:立ち読み常連の学生人と自然の親和性。

最近、映画化されたので、ご存じの方も多いかも知れません。

『西の魔女が死んだ』は、都会の少女と、田舎に暮らすお婆ちゃんとの交流を描いた作品。その交流の中で、その少女まいは、お婆ちゃんの言葉や、自然が持つパワーを通して、自分自身のことをしっかりと見つめ直す、という物語。


ちなみに、題名の魔女とは、お婆ちゃんのことです。

昔は、自然と会話できる人がいて、そういう人たちを魔女と言ったそうです。
どんな野草が傷を癒すとか、滋養に効くとか。

例えば、この本の中には、こんな話があります。

「裏庭に着くと、仕込んでおいたハーブティーはすっかり濃い色をしていた。
おばあちゃんはそれをじょうろに入れ、水を足して、まいに
畑に撒いてくるようにいった。」

これは、ハーブに虫除けの効果があることを指しています。
仮に、それが害虫と呼ばれるものであっても、強力な防虫剤で殺すのではなく、
自然の効力によって、虫除け効果を出すことができる、ということを伝えています。

つまり、今でいう漢方医や自然愛好家のような存在が
魔女だったのかもしれません。自然の力を知っている人、もしくは、
自然そのもののような人間を、魔女として捉えているのではないでしょうか。

この物語では、人がどれだけ自然のことを知らないまま日常を過ごしているか、
自然と向き合わないで暮らしているか、目の前のことに捕らわれすぎていないか
などと言ったことを気づかせてくれる話となっています。

ただし、そんなことを言っても、日常において、自然に親しむ機会が少なくなる、いつしか忘れてしまうということは、どうしようもないことです。
(自然と経済はなかなかにして相似しないものだから)

読んでいてココロに沁みるのは、そのどうしようもない現代社会において、著者が切実に「自然の優しさを忘れないで」と訴えていること。
意識をすれば、都会の道ばたの雑草にさえ、ヒトを救えるパワーがあることを、
この物語は教えてくれます。

自然への慈愛だけではなく、人と自然との親和が、何よりも大切であることを感じるのです。
 

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日がな一日、本に囲まれて生活をするおっちゃん。おっちゃんが読んだ本や、見た映画など、ジャンルを問わず紹介します。
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