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おっちゃんの「日々こもごも」

2011年5月17日

「想定内」リスク

ほとぼりが冷めたと踏んでか、
隠し遂せぬと判断してか、やっと事実が明らかになってきた。
福島原発は、津波の前に震度6の地震で、メルトダウンしていたのだ。
東京電力や原子力発電関係者は、
「想定外」の津波によって起こったと言っていたが、
これはあきらかに虚偽の報告だったのだ。

でも、ほんとうは、こんな事故が起こる前にわかっていた可能性も高い。
高木仁三郎(原子力資料情報室・代表)さんが存命中に、
地震・津波による福島原発の危険性を指摘していた。
(『核施設と非常事態‐地震対策の検証を中心に‐』
『日本物理学会誌』Vo150 No10.1905)
だから、正しくは、東京電力側が「想定外」として押し切ったということ。

でも、いずれにしても、
このような災害は、一度でも起こってしまえば、「想定内」になる。
だから、今後も、原発を継続することは、
今回の規模の原発災害を「想定内リスク」として許容するということになる。

テレビでサンデル教授の原子力発電について話し合う番組があって、
そこで、小説家・石田衣良さんは語っていた。
「原発を推進すべきである。
何事も、いままで人類の英知で克服してきた、
この原発もできるはずだ」。

未来を見据えた高邁な意見だ。
ただ、二つのことが前提となる。
ひとつは、福島原発規模の事故を「想定内リスク」として覚悟する。
さらに、自分が原発20キロ圏内で暮らしていても、許容する。

わたしには、できない。
当事者のはずの東京電力も、責任を負いきれないというリスクなのに。
しかも、本当のリスクは、深く広く見えない。
負っても負っても負いきれないリスクなのに。

人間の英知でも愚行でもいいけれど、
やるなら、「取り返しのつくリスク」の範囲で済むことにしてほしい。
放射能は、10万年消えない。
何の責任もない、後の世代にまで大きな負荷をかける。
何事も選択に関わった人間で、ツケを処理できる範囲にするべきだと思う。