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おっちゃんの「日々こもごも」

2011年4月23日

避難所の人間関係

福島の避難所を、東電の社長が訪ねる姿が、テレビに映った。
膝を折り、床に手をつかんばかりにして、避難民に詫びる。
「いつになったら、帰れるんですか!」と訴える。
「精一杯やります」としか答えられない社長。

事故が起こる前は、何を言っても、
四重、五重の備えをしているから、大災害にはならない、
と自信を持って答えていたのに。
「ここで一晩、一緒に過ごしたら、どうですか」となじる声もでる。
後の方から、
「どうしてくれるんだ。今頃に来て、なんなんだ」という声も飛ぶ。
けれど、決して、怒号ではない。
訴えるように切ない声だ。

なかには、
社長の手を握りしめ、
「お体を壊されたのですか、
大丈夫ですか」と労う人もいる。
とてつもなく寛大な人かもしれない。
しかし、親族が東電に務めるか、
関係する会社にいる人かもしれない。
だから、親族への配慮で、怒りを抑えているのではないか。

これだけの不条理な苦しみをともにしながら、
「なじる人」と「労う人」の二つに分かれる。
避難所のなかの人間関係も割れていないのか。

どこまで悲しみが深くなるのか。