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おっちゃんの「日々こもごも」

2011年3月29日

「還り」は、全部助ける。

昔々、小説家の五木寛之さんは、どこかに書いていた。

何かをしようと思えば、
親を捨ててなければならないこともある。
故郷を離れ、東京に出てくることも、そのひとつ。
親を援けるために、自分の夢を捨てることはない。
「親を思いながらも、やはり、自分の夢にかける」ことがいい、
と書いていたように記憶している。

当時の若者は、
故郷を捨て、多くは東京に出た。
それは、親の仕事の跡を継がず、老後の面倒も見ないことにもつながった。
すなわち「親を捨てた」

若いころは、すべてを捨てた。
お古は嫌で、自分で選び、つかみたかった。
それでいい。あるいは、仕方なかった。
けれど、過日27日朝日新聞日曜版の連載コラム「on reading本を開けば」では、
吉本隆明さんが、親鸞の言葉を引いて言っている。
         親鸞は「人間には往きと還りがある」と言っています。「往き」の時に
         は、道ばたに病気や貧乏で困っている人がいても、自分のなすべきこ
         とをするために歩みを進めればいい。しかし、それを終えて帰ってく
         る「還り」には、どんな種類の問題でも、すべてを包括して処理して
         生きるべきだと。悪でも何でも、全部含めて救済するために頑張るん
         だと。
善も悪も肉親も他人も、すべて関係なく
         かわいそうだから助ける、あれは違うから助けない、といったことで
         はなく「還り」は全部、助ける。

「往き」は、若い時ならば、
わたしなど、62歳は「還り」、
それも、霞の向こうにゴールが見える「還り」と言える。

全部、助けたい。
(いや、せめて少しでも)