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おっちゃんの「日々こもごも」

2010年9月30日

誕生日のキースジャレット。

筆者:おっちゃん 昨日、ひとりで、キースジャレット生演奏に出かけた。
ゲイリー・ピーコック、
ジャック・ディジョネットのキースジャレット・トリオが、
開演10分遅れで、ステージに登場した。
拍手がドーンと大きくなった。

キースは、ピアノの前に立った。
座らない。
からだを横にしたり、斜めにしたり、
何かを探しているのか。
やっと座った。
でも、考え込むようなしぐさをした後、
立ちあがって、ステージの袖に下がった。

なかなか出てこない。
何分かして、やっとでてきた。
盛大な拍手が起こった。
なんや、これ。
ステージに上がったものが、一度下がって、
待たせた上に出てきたのに、なんで大きな拍手で迎えるのか。

キース教の集会に紛れ込んだ気分になった。
それですっかり、気分が乗らなくなった。
演奏が始まった。
20代の頃によく聴いた。
30代になって、縁遠くなった。
キースは、すっかり変わっていた。
わたしは、昔のイメージのまま来たので、落胆した。

「ひょっとして、ステージが始まってから、音合わせしてんのんか。」
キース様に対して、ドンドン無礼な思いを抱く。
なんだか、沈んでいくばかりだ。
40分ほどの演奏で、20分の休憩に入った。

考えれば、私が夢中で聞いた頃から、40年ほど経った。
キースは50代で大病を患い、60代半ばになった。
私は、少し下の62歳で、
いまでは、恥ずかしげもなく『兄弟船』ええね、というようになった。

演奏する方も、聴く方も変わり、離れ離れになったのか、と思っていたら、
最後の方で、すっかり演奏に入り込んでいた。
昔、キースの曲を聞きながら、浮かんでいた風景が、
また、浮かび上がって来ていた。

ああ、やっぱり、よかった。
キースの音色は、やっぱり、キースや。