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おっちゃんの「日々こもごも」

2010年2月15日

深い眠りと少しの笑いを。

筆者:おっちゃん 昼過ぎに、友の病室に着いた。
ノックすると、看護婦さんが処置を終えて、出てくるところだった。
 
友は、ベッドに横になっていた。
無精ひげが生え、前よりも病人らしくなっていた。
声もかすれていた。

処置を終えて、ホッと一息つくころに来たようだ。
「いまから、唯一の仕事にかかるところだった。」と言う。
なんや、と聞くと、
「大量の薬を飲むことだけだよ、仕事と言えば。」と答えて、
寝返りを打った。
 
すごい!
寝返りが軽やかになっている。
おお、薬がだいぶ効いてきたらしい。
気分も少しはよくなったようだ。
毎日、誰か見舞いに来てくれる。
たいがい、薬を飲む時間にぶつかるんだよ、と笑う。
おや、笑うこともできるんだ、と言うと、
ありがたいことに、と答えた。

見舞客の中には、3週間ほどの間に、
4回も5回も来てくれた友がいる。
なぜなんだと思う?と問いかけてきた。
「お前の、キャラやろ」と答えた。
人柄・人望というのは、言う方が照れる。

それもあるかも知れないけれど、
友は、ほとんど50代。
まあ、人生を半分終えたところで、
自分の人生を振り返り、今後を見つめに来るんじゃないか、と思ったという。
なるほど、それは、あるかもしれない。

私も病室を出て、帰り道、
彼のことを思い、自分の越し方行く末に想いが流れる。

第二の理由は、この病室の「気」だと、力強い声で言った。
この病院には、強い気がある。
だから、みんな元気な顔をして帰って行くんだ。

こんなこと言う奴じゃなかった。
思わず顔を見つめ直した。
「そうなんだ、『気』が強い。
だから、この病室なら、治らなければおかしい。」
彼は、信じている。
彼の自信に満ちた顔を見て、ボクも信じる気になった。

「病は気から」だからな。
痛みが薄れて、深い眠りと少しの笑いが戻ってくれば、
「のうてんき」な彼なら、きっと、治るさ。

でも、差額ベッド代1日3万8千円は、きついな、と
大笑いして、帰った。