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おっちゃんの「日々こもごも」

2010年1月30日

ダンディスト、大往生。

去る28日(木)、会社の会長のお父上の告別式があった。
午後から、通り雨が来る、との天気予報を確認して、家を出た。
念のために、折り畳み傘をバックに入れた。

横浜駅から4つ目の駅を降りて、数分。
小さい山を登りかけたところに、式場となる教会がある。
雨に合わずに、教会に着いた。

午前12時30分に始まった。
牧師の祈りのあと、故人の生前の人生が紹介される。
明治42年に生まれ、100歳と105日の生涯だった。

中学時代は、故人の父上の友人である倉場さん、
実は長崎・クラバー邸に寄宿された。
倉場さんの縁で、横浜に職を得て60歳過ぎまで勤められた。
長寿だからと言って、そんな頑健だったわけではない。
腸閉塞など四度も大病を患われたが、くじけずに克服された。
運にも恵まれた方だったのだろう。

遺影は、70歳ぐらいに見えた。
知人と、ずいぶん、昔の写真ですね、と小声で言いあった。
しかし、お孫さんの挨拶をきいて、誤解と知った。
今年の写真だった。

毎年、正月に家族で記念写真を撮る。
「ここ十年ほどは、いつも、カメラを向けると、
おじいいちゃんは、ニコッと笑顔で通した。」と言い、
「遺影の備えだったのではないか。」と言い添えられた。
明治のダンディストだったんだ。

告別式を終えて、
出棺を見送るために、教会の玄関にでると、じっとりと濡れていた。
案内の人が、「いま、雨が止んだばかりです」と教えてくれた。

告別式の間だけの通り雨。
傘をささずに、霊柩車をお見送りできた。
幸運な父上が、運を使い切らず、最後の運を残しておいてくれたのだろう。