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おっちゃんの「日々こもごも」

2009年10月27日

肉筆の誘い。

筆者:おっちゃん
ことし暑中見舞をいただいた人と、
今週、久しぶりに食事をすることになった。

彼とは、東京に出て来た時に知り合った。
当時、わたしは33歳、その人は、22歳だったと、
電話でお互いに懐かしがった。
いまでは、わたしは、61歳、彼は50歳になった。

いままでも、年賀状は欠かさずやり取りはしていた。
ただ、それだけだった。
それが、この夏いただいた暑中見舞のはがきを見て、
わたしの方から電話をした。
毎年のはがきと変わらないはずなのに、
なぜ?と自分でも不思議だった。
年のせいか、自分でもそう思った。
ただ、それだけでない気もした。
彼のハガキに書かれた一行、
「お元気ですか」のせいだ、と思った。
その一行が、彼のことを懐かしく思い出させたのだ。

そのことに気づいたとき、1カ月ほど前にいただいた礼状を思い出した。
ほかの用件で違う方からの封書だった。
とても、誠実な心のこもった内容だった。
でも、ペラッとした印象がした。
また、なぜ?と考えた。
宛名にも、署名にも、肉筆がないからだ、と気づいた。
すべてワープロ打ちだった。
部下に書かしたのか、
あなたは、ウン、と頷ずいただけか、と疑ったわけではない。
肉筆のない紙は、ただの「面」だった。
わずか6文字でも、肉筆があれば空間が生まれていた。
呼び込まれるような、入っていけるような空間が。

肉筆のないはがきは、表情の乏しい会話のようだ。