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おっちゃんの「日々こもごも」

2009年8月24日

うっとおしい人、なつかしい人。

少し前、友人から聞いた話。
彼のお父さんは、定年前に、奥さんが重病を患ったため、
会社を早期に退職し、何年も、病室で寝泊まりの看病をしたという。
奥さんは、手足も動かず、声も発することができなくなり、
思いを伝えることができない。

そのため、「あいうえお」を書いた表を
奥さんに掲げ、目線を追って意思を確認する作業をした。
この作業は、完全看護を言えども、看護師さんではできない。
それが、お父さんが寝泊まりした最大の理由だったらしい。
「でも、本当の理由をきいたことはない。」と友人は言った。

むかし、友人から聞いた話。
奥さんが重い病に倒れてから、
1年間、付きっきりで看病した友人がいた。
それまで、彼は、ウイークディはほとんど会社に泊まり込んで
仕事するような毎日だった。
子どももいなかったが、家庭も、奥さんも顧みることはなかった。
その時間も心の余裕もなかった。
けれど、「仕事の付き合いだと言って、
酒やゴルフにはよく出かけた。」と笑いながら言った。

結局、看病のかいもなく、
奥さんを看取ることになり、後悔か、慙愧の念か、空虚感か。
彼は、西国48カ所巡りに出かけた。

それなりに、好きになり、結婚し、
いつしか空気のようになり、
ときにうっとおしい存在になり、
ハタと気づけば、その「うっとおしい人」しか、
じぶんのそばにはいないことに気づくのですかね。

父を見送って、27年、
母を亡くして、7年、
最近は、毎日、仏壇に手を合わしていますが、
ときどき、じぶんの若い頃の「悪行」を思い出し、顔が赤らむことがあります。

なんか、挽回できなくなってから、
「うっとおしい人」が「なつかしい人」になるようですね。