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おっちゃんの「日々こもごも」

2008年9月25日

TVは、裁判所か。いや、神のつもりでっか。

筆者:おっちゃん6月8日、死者7人を出した秋葉原通り魔事件。
人に恨みのない殺人。
あえて言えば、社会への「怨恨」のような恐怖の無差別殺人。
それでも、いまでは、話題に上ることもなくなった。

でも、おっちゃんには、忘れられない情景がある。
それは、事件の本質と全く関係のないことだが。

その朝、TVのニュース・ワイドショー番組では、
夕暮れの死者を悼む事故現場を映し出していた。
長い献花台ができていて、たくさんの花や供物が供えられている。
ずーっとたたずむ人がいる。
通りすがりに、思わず立ち止まって手を合わせる人もいる。
一瞬、ひと気が薄れると、
TVカメラが遠くから、祈るでもなく、
周りを見渡すひとを映し出した。

「あっ、たばこをポケットに入れました!」
レポーターの声を潜めた叫び。
素早く立ち去る人、
追いかけるレポーター。
「ポケットに入れましたよね、たばこ!」
振り切り、逃げ去る人。

自転車で近付いてきて、まわりをうかがってから、
ポカリスエットを、カバンに落とす人。
すぐ走り去る、
追いすがるレポーター。
逃げきる人。

そのあと、スタジオのコメンテーターの解説は聴いていないから、
取材の本当の意図はわからない。
けれど、みんなが死者を悼んで捧げた供物を、横取りするとは、何事か、
世の道徳の退廃も極まれり、というような狙いではなかったか。

でも、供物を持ち帰ることは、そんなに悪いことか。
昔は、葬儀に参列した子供には、
誰彼なく、岩おこしなどの菓子類を振舞ってくれた。
お下がりをいただくのは、供養だった。

だから、供物をいただくことは「悪いこと」と思えない。
少なくても、死者を侮辱する行為にはならない。
でも、決して「したいこと」ではない。
おっちゃんは、するのは嫌だ。
だから、するひとには、何かの事情があるのだろう。
それで、いいではないか。

TVに映して、どうしょうというのか。
追いかけるて、どんな意味があるのか。
捕まえて、何を言いたいのか、
何を言わせたいのか。
供物まで手を出して、お金のないのが、悔しい、と云わせたいのか。
みなさんの悲しみのこもった供物を黙って持ってきて、
泥棒にもおとる行為だ、と反省させたいのか。

TVは、裁判所か、と怒りを覚えたけれど、
もっと、ひどい。
TVは、神様にでもなったつもりなのか。